自粛生活で思うこと。比較を良い方に捉えてみる一考

朝起きた時に外が明るい。

この感覚日本にいると当たり前ですが、この国だと「季節が変わった」を知る重要ポイント。笑

引きこもり生活続いていますが、呑気にそこに至福感を感じている今日この頃。

 

さて、今までのロシア政府の措置を振り返って考えてみると…

◉3月18日から5月1日まで全ての外国人の入国制限措置

◉3月26日に、27日午前0時から全ての国際線の運航を停止すると発表。*執行18時間前(!)に発表。

◉3月28日から4月5日まで、外出禁止令(自主隔離期間)で会社は非労働日(有給扱い)とし、公共施設、レストラン、バー、ショッピングセンターやスポーツジムなどの娯楽施設も営業停止

◉4月2日、外出禁止令(自主隔離期間)も4月30日まで延長

 

3月以前にも、1月末の春節の時期から中国人観光客の入国、ビザの発行停止措置なども行ない、大陸の国境封鎖も迅速でした。当時感染者が一気に増えたイランや韓国に対してもかなり早い段階で国交規制も行なってきましたが、欧州からのコロナは予測出来ておらず塞げなかったという状況です。

しかしそう分かってから今に至る3月以降の流れが上記。

 

お給料の保障とか中小企業に対しての納税期間延長、乳児・児童のいる家庭への手当てなど、今後の法案に関して考えていくと明言はしていて、

まだその具体的な措置や法案は確立されていないとはいえ、この「発言する」という行為で、国民がどこか冷静を保って入られているのは事実ではないかと思います。発言は責任が伴う行為ですが、そこのポイントを押さえているのがこの国だなと。ある意味では言ったもん勝ちというやつ。笑

国のリーダーからのトップダウンは共産主義時代の名残というか、この国の歴史が人々のマインドに深く根付いていると思いますが、それでもやはりこうしなさい言われたらそうするのかな、と従う人々。

上からちゃんと言われれば、どの国に人だって守るものですね。

しかしロシア人の方達ってやっぱり危機に慣れている気がします。

あれこれ文句や不満はあっても、「なるようになる」という気持ちが底の方にある。

 

別に国と国を比べるのではなく、これはあくまでも目の前の現状を、外国人として
この国にいる自分が感じている事実。

これ以上感染者を増やさないためにも、日本も早く具体的な対策をして欲しいなと思います。
 

正直、国際線の運航を停止すると聞いた時、言いようのない不安に一瞬ですが駆られました。

ロシアから出られない、つまり 日本に帰れない という事実。

これは結構衝撃でした。

 

いつでも帰れる=出国出来る というのは精神安定剤だったんだなぁと。

 

そして、ビザが必要な国だと申請手続きで面倒とはいえ、取ってしまえば自由に入国出来ます。
日本のパスポートは一部を除き世界中の国にほぼビザなしで入国出来るという有難いパスポートですし、
今まで当たり前のように国を超えて移動が出来ていて、海外に行くのも国内移動も同じくらい簡単で、
ネットで情報が収集出来、チケットも買えてホテルも取れて、公共料金だって支払える。
海外にいる人とも無料で通話が出来る。

なんて全てが簡単になっていたんだろう。

何よりも自由に移動・行動できる。という自由の「感覚」が、安心感の源だったのだなと。

普段は意識してないからですが、制限されると一気に不安になるというか。

 

そんな考えられないくらい便利な世の中が当たり前だと思っていたんだなと。

改めて、すごい恩恵を受けていることにも気付かされました。

 

 

3月末に大使館からチャーター機のお知らせも来ましたが、今帰ったところでどうしようもないし

猫の出国手続き出来るのがワクチンの関係で6月以降だし(これが一番大きな理由)

元々今の状況で帰国する気は更々なかったのが正直なところです。

冷静に状況を見極めていくしかない、という。ただそれだけ。

 

お子さんがいる方達にとっては、学校や教育面等色々な問題や心配は山積みだと思います

しかし色んな立場の人たちそれぞれが、人種も職種も立場も超えて同じ不安を共有している今

 

政治の批判や、他の国の政策と比べてあれこれ言ってもナンセンス。

じゃあ今自分は何が出来るのか、今後どうするべきなのか・どうしたいのか・どんな国が良いのか

声を上げることで賛同を得て物事が動くという事実はありますし

発信することで、誰かの考えるきっかけにはなります。

そういう生産性のある話や代案がある場合、システム変える道筋を構築して運動を起こせばいい。

それが出来ずに誰かや何かのせいにするだけなら、発言は控えた方が良い。

 

文化やアーティストを守れと国に訴えても、今までの制度考えてそれが叶うと思うこと自体が
これまたナンセンス。

え、これまでそこに力入れてきてましたか…? ですよ。現実を忘れてはいけない。

今回を踏まえて何を変えていくべきか、どうすれば環境が整うのか、国にアプローチする方法はないのか。
課題が見えたのだから認識低いとか保障がないとかを嘆くのではなく、それが浮き彫りになった機会をチャンスだと思ったらいい。

 

日本でダンサーとして生きていくのはまだまだ本当に大変で。

趣味の延長でしょうって見られて、職業としてまだまだ捉えられにくい。

残念ながら需要と供給で成り立っているのだし、文化の根付き方の違いもある。その事実を受け止めた上でその土壌をどう肥やしていくか、今舞台の世界に関わっている人たちが今後を見据えて考えて行動していく時になっただけ。

先人が努力して積み重ねてきてくれたものを、引き継いで時代に合わせて創意工夫していくしかない。

比較から見えたことを落とし込んでいくと、一人一人が何が出来るか・したいかを捉えるきっかけになると思います。

 

嘆いても仕方がない。他の国と比べても仕方がない。

 

これって別に芸術分野だけに拘らずですね。

自分の意思とは関係ない事態に陥っていますが、それももう流れを受け止めていくしかないとも思います。だってそういう流れなのだから。

そんな中、状況を見定めて決めていくしかない。

臨機応変に変容することを受け止めてみる勇気を持つ必要もあるなと。

 

世界中が麻痺してしまっている今だからこそ、一人一人が立ち止まって意識や認識を考え直すタイミングになったのだなぁと、どこか俯瞰的に眺めています。

 

まずは自分の生活全てを考え直す時間として、自粛生活を有効活用…するしかない。笑

ダヴァイ有効活用、ですよ。

注)ロシア語でLet`sの意

 

まだまだ続く🙋‍♀️

 

 

 

 

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総合芸術としてのバレエ

舞台というものは演者たちだけでは成り立ちません。裏舞台で支えている多くの人々の尽力あってこそ表舞台がより引き立ちます。
建築・歴史・哲学・文学・音楽・美術・デザイン・踊り・歌、全てを包括しているのが劇場芸術です。
生活の中で芸術はなくても良いものかも知れません。しかしあるとより豊かになるものだと私は考えます。 人でしか紡ぐことの出来ない伝統の世界。色んな角度から眺めてみると、きっと新しい発見があるはずです。

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