バレエ

1日みっちりProgressing Ballet Techniqueのセミナー

先週、Progressing Ballet Technique(PBT)の1日セミナーを受講してきました。

さぁ、始まりますよー

朝11時から19時までのみっちり濃厚スケジュール。

このプログラムはオーストラリア発祥のダンサーやバレエを習う子供達のテクニック向上のための、また様々なスポーツをする上での筋力・体幹強化のエクササイズです。

ピラティスやジャイロキネシスまたマスターストレッチなど、最近では体幹筋を鍛えるメソッドがポピュラーになり、随分情報も増えてきた今日この頃。

このPBTメソッドの宣伝を見かけたときに、バレエ学校時代の友人が講師を勤めるということが分かり興味が湧きました。

 

この友人は前回このブログでもご紹介したクレムリン大会宮殿の元プリマ・バレリーナで、Yahoo!ニュースの取材の時に再会した同級生のサーシャです。記事はこちら
彼女が怪我をしてから引退間際に出会ったエクササイズがあるという話をしていたなというのを思い出し、きっとそれだろうなと思い、どんな感じかしらと受講を決意。

モスクワ市内になるスポーツジムのスタジオを1日借り切ってのセミナー

思った以上にハード、かつびっくりするくらい身体に効くエクササイズでした。

「骨盤を安定させる」とは、「内転筋を意識する」とは、などなど、言葉でも身体でも体感しにくい感覚ですが、それをボールやバンドを使うことで自然と自分のバランスを見つけていく・そして強化される。

そんなトレーニング。

自分の弱いところや逆に力んでしまっているところなどがダイレクトに感じられました。

 

サーシャの説明はとても分かりやすく、しかもやすやすとやってのけるので簡単そうに見えましたが、これがかなり難しく…

身体をコントロールするって本当に大変。

バランスボールの本当の意味での活用法を知ったように思います。

(単純に今まで自己流でしか使っていなかっただけなのですが。笑)

終わった後はヘロヘロで無事に帰宅出来るか不安になったくらいです。全身くまなくだるくバタンキューで記憶を失い、翌日は思った以上の全身筋肉痛に見舞われました。

 

しかしこれ、本当に効きます。

バレエには欠かせないターン・アウト、プリエ、フォンジュなどの基本的な運動から、軸の見つけ方、またピルエット(回転)の強化、全身のバランスを整えるなど、多岐に渡る内容です。

バランスボールやソフトボール、ゴムバンドを利用するのですが、とにかく負担がかからないのでこれは良いなと改めて。

今後自分のためにも続けたいですし、また機会があればお伝えしていけたら良いなと思います。

去年開催されたサーシャのセミナーの様子↓

プロを目指している人も、また趣味でバレエを楽しんでいる人も、技術が身につき踊れるようになることに越したことはありません。やはり「出来なかったことが出来るようになる」という感覚はどんな立場でも年齢でも喜びになります。

正しい使い方で無理がなく、自分の身体と向き合える媒体としてのバレエがあっても良いのではないか。

常にそんな風に考えています。

 

PBTのセミナーは日本でも開催されているみたいですね。モスクワでは次回6月に開催を予定しているとのこと。

興味がある方はFBページなどをチェックしてみて下さい。https://www.facebook.com/progressingballettechnique/

集合〜 お疲れ様でした!

 

 

ボリショイ劇場美術館100周年記念展 

2018年の12月19日から、ボリショイ劇場の近くにあるノーヴィー・マネージというところで

ボリショイ劇場美術館100周年記念展 が開催中です。

 

1918年から2018年の100年間の劇場そして舞台の歴史と、その間に上演されたもの、未上演に終わった幻の作品などを含め 貴重な資料がこれでもか!と展示されています。

 

リムスキー=コルサコフのオペラ「金鶏」コーナー

⬆︎このデッサン画の衣装はどーこだ⬆︎

上の衣装が勢ぞろいすると、舞台全体はこんな感じ

このデザインはマリア・アレクセーヴナ・サコーロワ(関連記事/ロシア語のみ)のもの。彼女はアニメーション・スタジオ「ソユーズムルトフィルム」で経験を積んでいたようです。

ウラジーミル・ダニレヴィチ-①やイヴァン・イワーノフ・ワノ-②、また日本でも人気のある『霧の中のハリネズミ』ユーリー・ノルシュテイン-③のもとで仕事をしていた模様。彼女の独特の世界観はアニメーションの世界から来ているのかと納得です。

夫のヴァレーリー・レヴェンターリと夫婦共々舞台装飾のデザイナーで、レヴェンターリはマヤ・プリセツカヤの舞台「カモメ」などの舞台デザインも担当しています。彼もボリショイだけでなく、スタニスラフスキー=ネメローヴィチ・ダンチェンコ劇場やモスクワ芸術座にも関わっています。

 

*上に出てきたソ連アニメ界の巨匠たち と、作品をピックアップ

①ウラジーミル・ダニレヴィチ Владимир Данилевич

https://www.ivi.ru/watch/67469

 

②イヴァン・イワーノフ・ワノИван Иванов-Вано

https://www.culture.ru/movies/436/konek-gorbunok

 

③ユーリー・ノルシュテインの関連記事はこちら→「霧の中のハリネズミ」はどうできたかスプートニクより

 

舞台背景画や衣装、舞台美術のデザインをしている芸術家は、日本ではそこまで知られていない人たちが多いのですが、ロシアでは名前が出ると「あぁ、あの人ね」とか「〇〇の△△にも関係してた人よね」とかそういうコメントをちらほら聞きます。

例えばフョードル・フェドロフスキーというボリショイ劇場の美術担当(1927-53)そして舞台監督、劇場沿革で要になっている人物は、劇場の舞台だけでなくクレムリンの赤い星のデザインをしており、

これですね (wikipediaより写真引用)

ソ連を代表する芸術家です。もちろん彼の作品もこの展示会であちこちで見ることが出来ます。

 

中々日本では馴染みのない名前ですが上記のようなサコーロワのように、名高いソビエトアニメのスタジオで鍛えられていたような、多岐にわたる分野で実力を積み上げた芸術家たちが劇場を支えてきていたんですね。

また彼らも劇場で育てられてきたとも言えます。

バレエ「チッポリーノ」のコーナー

子供向け作品だとやはり色が鮮やかです

「くるみ割り人形」のコーナー

バレエ「せむしの仔馬」のデッサン画

実物はこれ。結構シュール・・・

登場人物達はかなりカラフル。原作は童話ですし子供の目を引くような色使い

キャラクターが中々濃いです

 

もちろんクラシカルな作品の衣装や写真も。

 

真ん中は100年以上前に作られた「ドン・キホーテ」の衣装。ドム・ナショーキナの展示会(2013年)以来久々の再会!

オペラの衣装から

靴と被り物コレクション

舞台メイクの下絵とメイクさんの様子や

大道具さんたちのアトリエの様子など

バレエ「ライモンダ」の衣装。うっとりするくらい上品な色彩。そして昔のクラシック・チュチュのチュールの質感の違いも感じます。写真では伝わりにくいですが・・・。ヴィルサラーゼの世界観を垣間見れます。

120点の衣装とデッサン画やポスター計450点ほどの出品です。映像もありかなり見ごたえたっぷりな展示になっています。ちょっと多すぎて途中でぼーっとしてしまいましたが。。笑

 

この美術館の人たちと関わるようになって早7年。
ダンサーたちとは違った意味での劇場愛。 彼女たちは舞台美術や伝統を守る役割に誇りを持っています。
整理・保管・管理しながら、さらにパフォーマンスとしてだけではない舞台芸術の側面を知る機会を作っていこうと、バックステージツアーをはじめこういった美術展を国内外で開催し、子供達へのマスタークラスやイベントなど様々な活動を行なっています。
一言で保管と言っても、衣装は1着とは言え上着・下・タイツ・帽子・髪飾り・マスク小物等備品も多く、全部で1セットというものが多いのでバラバラにならないようには勿論、刺繍部分など装飾を良い状態に保つことや、保管状態によって色味が変化することを防がないといけません。ただでさえ既に何度も舞台の上で使われて劣化してしまっているものが多いですし、古い衣装の扱いは中々気を遣います。

彼女達の仕事を含め、この日本で公開したことがない美術作品たち。やっぱり日本で紹介するぞと改めて思いました。

 

舞台ってダンサー達だけで成り立たず、場所が全てを育てるのだということを改めて実感です。そしてそれを保管し次世代に繋げることで、また新しいインスピレーションを与えることだってあります。

ロシアらしい色彩、アヴァンギャルドの挑戦、昔のお針子さん達の色重ねのセンス、魅せ方のヒント、などなど

温故知新というか、昔のものからも新しい何かを感じ取り学ぶことって沢山あります。

 

 

身体から身体へしか継承できない形のないバレエやオペラは、劇場という箱の中で様々な分野のエキスパート達によって守られ化学反応を起こして開花していきます。

全て人ありき ・・・それってどんな環境もそうですよね。

こうやって脈々と繋がっていくのだと思います。

 

 

舞台を作る要素の、万華鏡のかけらたちに出会える機会です。
2019年2月10日まで開催。是非足を運んでみてください。

 

*こちらノーヴィー・マネージ/Новый манеж詳細*

  • アドレス: Георгиевский пер., 3/3, Москва
  • 最寄駅: Охотный Ряд, Театральная, Площадь Революции
  • 電話: +7 495 692‑44-59, +7 495 645‑92-77
  • 営業時間: 火-日 12:00–21:00(月曜休館)

Выставка «Музей и Театр. 100 лет вместе (1918-2018)»

横に長い建物です