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おそロシアと言われる所以?

モスクワは年末からずっとマイナス二桁の毎日です。
今週は少し気温が上がりましたが、それでもマイナス7度くらい。ものすごい雪が降り続けました。

12月の冬至が過ぎてからは少しずつ日が長くなってきているのが良く分かります。気温が下がるとすっきり晴れる日が多く、寒くても本当に気分が違います。

朝日も美しい
朝日も美しい

日本ではロシアという国の印象があまり良くないように思います。それは情報が少なく、未だに教科書に載っていたソ連時代の写真「パンを求めて並ぶ人」のイメージなんですね。しかも思い浮かぶのは、KGB、諜報員、粛正等々、なんとなくイメージが悪い単語が多いです。
しかし、91年のソ連崩壊後混乱の90年代を過ぎ、2000年に入ってからは明らかに街の雰囲気がどんどん変わってきたんだろうなというのが分かります。2009年、バレエ講習会のお手伝いの為、バレエ学校卒業後8年ぶりに訪れたモスクワの変わりようにも、浦島太郎の様なショックを受けました。
特に2011年にモスクワに戻って来てからのここ数年でも、何となく街が明るく綺麗になってきているのが1年ごとに分かるほどです。新しいオフィスビルが建ち、道が整備されて石畳が綺麗になり、更にはカフェやレストランがどんどんオープンしています。

旅行でロシアに訪れた殆どの人が、「予想と違った!印象が違う!」と、好きになって帰ってくれる人が多いです。期待値が低く、マイナスからの出発って良いですね。笑
しかし、表面上は確かに整備されて綺麗になってきましたが、全ての物事において過程を重視せず、何とかやってのけるけれども最後の詰めが甘いのは昔から変わりません。これはそんな数年じゃ治りようのない国民性なんでしょうけれど・・・

階段が1段ずつ高さが違う、石畳の形が不揃い・斜めで真っ直ぐに出来ない等、日常のあちこちで目にします。

しかし、あまり気にしていないのがロシア人の強さです。

良く「おそロシア」とか言われていますが、先日「ああ、これか」と思った光景に出会いました。

分かりますか?
分かりますか?

これ、歩道の信号です。

あらら、という感じで普通に通り過ぎる人々
あらら、という感じで普通に通り過ぎる人々

何故、このようになってしまったのか。何が起こったのか。事故があった様子もなく、ただ単に信号がひっくり返って落ちていました。酔っぱらいががしがしして落としたか、若者グループがふざけたのか。

理由はどうであれ、暫くはこの状態だったのは言うまでもありません。「信号は付いてるし、まいっか」という感覚です。事故があったらどうするの、とか危ないわっとか、あまり思わないみたいです。

こういう場面、何となく日常に溢れていますが、気にしなくなるもんですね。いやはや、人間って慣れの生き物です。

うん。気にしないきにしない
後ろから見た図。うん。気にしない気にしない

ここには物事を大事に捉えず、何事も「ничиго」二チボー「たいしたことない・なるようになる」精神の人たちが暮らしています。

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総合芸術としてのバレエ

舞台というものは演者たちだけでは成り立ちません。裏舞台で支えている多くの人々の尽力あってこそ表舞台がより引き立ちます。
建築・歴史・哲学・文学・音楽・美術・デザイン・踊り・歌、全てを包括しているのが劇場芸術です。
生活の中で芸術はなくても良いものかも知れません。しかしあるとより豊かになるものだと私は考えます。 人でしか紡ぐことの出来ない伝統の世界。色んな角度から眺めてみると、きっと新しい発見があるはずです。

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