今日3月8日はバシモイ・マルタ/女性のお祝いの日(国際婦人デー)。皆様おめでとうございます♪

私も一応女の子・・・
私も一応女の子。花食べていぃ?

土曜日からの4連休最終日となりました。

今日はロシア人についてです。
私はバレエがなかったらこの国に来ていないし、ロシアと言う国がどんな所なのかもさっぱり知らなかったし、何よりロシア語もバレエのレッスンに付いていくためのもので、必然性から学んだだけでした。つまり、元々ロシアという国に関しては全く無知。「バレエが出来る所」という位置づけです。

15歳でモスクワに行く事が決まったときは90年代後半、ソビエト崩壊後の混乱期で、周りの大人達には大変心配されたそう。しかし母親は「大変な国だとニュースでは聞くけど、実際にロシア人の人たちが生きて普通に生活しているんだろうし、普通の所なんだろう」みたいなことを考えていたとのこと。
至ってまっとうな考えですが、この親だったからこそ、私はロシアに快く送り出して貰えたのでしょう。

ロシアへようこそ・・・
ロシアへようこそ・・・

今日は別にこのロシア行きのいきさつを書きたかったわけではなく、そういったロシアに無頓着な私が、ここで生活している内に節々に感じる”ロシア人とは”みたいなことをちょっと綴りたいと思います。ロシア語の先生やロシアの政治や歴史を研究されている専門家からすると「何を言っている」としらけられてしまいそうですが、そういった専門的な知識で述べることではなく、周りにいる普通のロシア人の人たちとの交流の中で感じることを書きます。

 

この国の政治的な変化は特筆するまでもなく、やはり大混乱を経て現在のロシアに至ります。
しかし、国の政治や経済の影響をダイレクトに受けながらも、人々の生活って普通に営まれてきているわけです。その中でやはり若い男女の最大の関心事はお国を問わず恋愛のことだと思います。
日本でもこの話題は尽きませんね。しかし先日日本へ帰ったときは、婚活や独身女性のあれこれ、妊活や老後の貯蓄等々等々、余りにもの一辺倒な考え方や恋愛に対して尻込みさせる要素が満載で、不安を煽るだけの雑誌の見出しに辟易しました。
ましてベッキーの話題で持ちきりの時期だったので尚更。大人の男女のあれこれをこうも長く引っ張って話題に出来ることにある意味感動さえしました。(余りにも情けないこと、ということで)

そしてふと、不倫の話題ってロシアでも結構あるよなぁということを思いました。しかし話題になりながらもどこか暗黙の了解的な空気で、皆が皆で一斉に叩くということはまずあり得ません。
大統領も不倫してましたが、フランスみたいに容認されて「それはそれ、これはこれ」というアムールに寛大な国民性なのとはまたちょっと違います。何て言うか「あぁ、まあね。仕方ない。そういうこともあるよね」というような感じ。

ま、お茶でも飲みながら
ま、お茶でも飲みながら

実際、この国ではバツイチ、バツ2は全く珍しくありません。
「上の子は前の旦那との子、下の子は今の旦那との子。ま、今の旦那とも別居してるけどね」
とかそういう話は本当にもう余りにも良く聞く話。
勿論、離婚が原因でトラウマになっている繊細なロシア人もいますし、傷が癒えない子だって沢山います。皆が皆現実を受け止められているとは言いません。これはロシア人だろうと日本人だろうと何人であろうと、人間の性格によります。
しかしロシア人にとって離婚と子どもの問題は日本人とはちょっと捉え方が違う様に思います。

 

  1. 「ママが女性として幸せなのって大事でしょう」

日本では結婚=家族という意識があり、共同体の中に組み込まれるようになっています。
しかしロシアでは、結婚=男女関係=家族という公式になっており、結婚後も男女関係というのをとても大事にします。むしろこの男女関係がまずあって、家族という生活がある、と言っても過言ではないと思います。別にこの男女関係って身体の関係だけを指しているわけではなく、子どもがいても預けて二人で出掛けたり、おはよう・行ってきます・ただいまのキスや生活の節々でのスキンシップも指しますし、お互いがお互いを思い遣っているか・愛し合っているか、それが何より重要。お父さんとお母さんが仲良くしてうまくいっていれば、自然と子どもも安心して育つ感じがします。
日本では色んな問題が勿論あるけれど、セックスレスが多くて悩んでいるけど離婚は中々しないカップルが多いんだよと話したら、ロシア人の友人は「それなのになぜ一緒にいるのか理解できない」と。「家族がいるし、子どもや親の手前だってあるし・・・」とごにょごにょ濁すと「幸せでない親の元で子どもが幸せになるものか」と。余りにもばっさりで「ですよね」と納得。
勿論、身体の関係だけが全てではありません。話し合いを重ねたり向き合って絆を築いていく信頼関係もとても大切なこと。しかしロシア人にとってはその絆の中に身体のふれあいというのは必須条件として入っているのだと思います。

余談ですが・・・よくよく考えてみると、ここの国の人たちは男女関係なくよく身体をくっつけるシーンが多いです。
ご挨拶や別れのキスは勿論抱擁は日常茶飯事。ありがとうを込めて抱きしめたり、悲しそうにしている同僚に肩を抱きしめて慰めたり等々。更に男性同士は毎朝の握手は欠かせません。(←これには驚く日本人男性は多いのではないでしょうか)ほっぺたへのキスは男女共々日常。キスしてぎゅっと抱きしめるなんて、余りにも当たり前です。
これはアジアではなくヨーロッパの人たちの習慣であり、別にそれをした方が良いという訳ではありませんが、人間同士のふれあいということに関しては、とても温かいなと感じる事があります。相手とちょっと距離が縮まるというか。
別に恋愛としてではなく人としての交流という位置づけで、このスキンシップはあるように思います。
子どもへのキスも本当に多く、自分の子どもは勿論、友人の子どもに対してもチュッチュチュッチュすごいです。笑

バラライカでも弾きましょか
バラライカでも弾きましょか

2.「今誰と一緒にいたいか、それが一番大事」

先日知り合ったカップルがいるのですが、私は夫婦だと思っていたのですがそうではなく、子どもがいるから先に帰るねと、女性が先に帰っていき残された男性に周りの友人が「素敵な女性!やったね、すごいすごい」など声をかけているんです。詳しく聞くと、最近、先ほどの女性と職場恋愛で付き合うようになったとのこと。あれ、子どもは?と思ったら何のことはない。彼女と前の旦那さんとの間に2人の娘さんがいて上の子が12歳だそう。「父親になったことはないけれど、とても可愛いんだよ」なーんて言っていました。ちなみに彼女は37歳くらい、彼は30歳くらい。
そして周りも「素敵な女性だし、ほんと良かったね!」と喜んでいるんです。子どもがいてもいなくても、離婚していようが別居だろうが、好きになったらその人が自体が好きなのだととてもはっきりしています。そして周りもそれを認めます。
以前、子どもはいるけど恋して何が悪いんだ、と奥さんと別居中の友人が言っていましたが、後ろめたさという感覚が日本人とはちょっと違うんでしょうね。タブーとされる度合いがちょっと違います。ちゃんとした手続きをしてから次に進みなよ、と思いますが、面倒な離婚の手続き、慰謝料や教育費等々の問題から、そのままにして別居してお互いの生活を謳歌するというパターンも多いです。後で何かあった時にその時考える、という感じ。
注)曖昧な事が嫌いな人もいますしロシア人が皆そうとは限りません。しかし全体的には関係を「放置」というのも結構多いのが現状。

日本だとそれ大丈夫なのかとか、どういう状況だとか、また経済的にやっていけるのか等々心配がまず先にくると思いますが、ロシア人の間では二人の関係。男女のことは本人達が幸せかどうかがまず先にくる考え方です。
勿論心配する人もいますが、男女のことに関しては、本人達次第、と。
しかし経済的なことをしっかり考えることは絶対大事な事だと思いますし、後先考えない結婚は私はどうかと思います。ただ余りにもリスクを恐れて条件で結婚相手を選ぼうとする今の日本の風潮にも疑問を抱くので、ロシア人と日本人を足して割って2にすると本当に丁度良いのではないかと思います。笑

というのも老後のことや貯蓄の心配、保険のことなど余りにも色々な心配事が多すぎる今の日本の元気のない現状を束の間覗いて、何となく、ロシア人の刹那的な生き方、良い意味で「今をとにかく楽しむ」という姿勢はとても大切なことなにではないかなと感じたんです。しかし情報がありすぎる現代では、情報抜きで物事を考えにくくはなっているとは思いますが・・

 

「この人が好きか」「一緒にいたいか」「触れたいか」そういった本能的な感覚でロシア人は動いているのだと思います。勿論、自身の美貌をがんがん利用してお金持ちを狙って安定生活をがぶりと狙う雌豹のような女性も沢っ山います。(美しさでいうと、ほんとスラブ人の女性は半端ないですから)そういった一部の女性達も含め、普通の一般的な女性も含め、彼女達は女性として大切に扱われることが大好きですし、それに対してはかなり正直だと思います。雌豹の彼女達も、女性という性を正直に最大限に謳歌している人たちとも言えます。笑
女性が女性らしくすることに関してはとびっきり関心が高く、身体のラインが出る服と高いヒールなんて、もう大好きです。私がふんわりした身体のラインの出ないワンピースを着ていたら、「なんで隠すの?」と真顔で聞かれましたし・・・

自分を愛するように人も愛する
自分を愛するように人も愛する

意外に思われるかも知れませんが、恋に熱しやすく冷めやすいとは正にロシア人の人たちに言える言葉だと思います。
特に恋に関しては情熱的でラテン系の人たちもきっとびっくりです。情熱的な恋を好むのは、きっと男性が男性らしくあることを良しとし、女性が女性として扱われる文化がまだまだしっかり根付いているからなのではないかなと思います。
しかしだからと言って専業主婦が多いかというと全くそうではありません。ソ連の名残で大半の女性は仕事をもっています。更に制度として産休や育児休暇などもしっかりしており、労働者の権利は守られます。ロシアの良い所は労働者を守る法律が多いと言うこと。

とまぁ、恋愛観について書いていたつもりが逸れてしまいましたが・・・

今という時間にしっかり立って目の前のことを大事にして生きることは、先の心配ばかりして暗い顔しているよりよっぽど健康的だと思うのは私だけではないのではないかと思います。目の前にいる人にめいっぱい恋をして、出し惜しみしない愛情を注ぐというのは見ていて気持ち良いです。たまにいちゃいちゃっぷりが激しいカップルに遭遇すると呆れますが。。

 

勿論、あくまでも私の主観なので全ての人に当てはまることではありません。しかしロシア人の恋愛に対する価値観や人生に対する考え方がどんな感じか垣間見て貰って、自分自身の恋愛観や人生のことを多面的に捉える一つのヒントとしたら面白いのではないかなと思います。

ロシア人の恋愛観その②に続く

 

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総合芸術としてのバレエ

舞台というものは演者たちだけでは成り立ちません。裏舞台で支えている多くの人々の尽力あってこそ表舞台がより引き立ちます。
建築・歴史・哲学・文学・音楽・美術・デザイン・踊り・歌、全てを包括しているのが劇場芸術です。
生活の中で芸術はなくても良いものかも知れません。しかしあるとより豊かになるものだと私は考えます。 人でしか紡ぐことの出来ない伝統の世界。色んな角度から眺めてみると、きっと新しい発見があるはずです。

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