2月5日の火曜日に、NHKの番組【国際報道2019】の中でボリショイ劇場バックステージツアーの様子を取材して頂いた映像が放送されました。

見て下さった方からメッセージを頂き、本当に嬉しく思いました。ありがとうございます。

番組のHPからネットでもご覧になれます。

http://www6.nhk.or.jp/kokusaihoudou/bs22/lounge/index.html?i=190205&fbclid=IwAR1NGKq24mrkZ9i_vFcovTBZiAkqIlel-AaWHr6RZfQ5K-OfEC2kKH9SEGw

 

このツアーを始めたのが2012年。

当時は手探りでしたし、ボリショイ劇場の美術館員の話をその場で訳すという形式で私が直接お話するというスタイルではありませんでした。ただ回数を重ねる毎に、今度は美術館員さんの方から「自分で直接案内したら。もう十分にこの劇場のこと分かっているでしょう」と言われたのがきっかけで、それからは日本語のみの内容となりました。

部屋によっては鍵がかかっていたり電気がついていなかったりする場合があるのと、私はボリショイ劇場の従業員ではないので、ツアーの時は美術館の方が何かあった時の為に一緒について回ってくれます。

彼らは最近の劇場情報や舞台の話などを移動の時に話してくれるので、情報交換の場にもなっています。

15歳の時に始めて入った劇場で天井を見上げた時に、空気が渦巻いているというか、今思うとざわざわした観客達の声が反響して空気が振動しているように感じたのだと思いますが、歴史の渦のようなものを見た気がしたのを覚えています。

長い時間をかけて伝統を築いてきている劇場の姿を、体感した経験でした。

じっと動かない、しかし確実にその向こうでは違う世界が広がっている厳かな大きな幕、高揚している観客のざわつき、音を調整しているオーケストラの楽器音、写真を撮ったり劇場内を探索している子供達、そういった全てを丸っと包み込んでいる場所が劇場でした。
当時は修繕工事前でかなり古びていましたが、それが尚更趣を増していたように思います。

 

2011年4月にモスクワに再度戻ってきた時はまだ修繕工事中でしたが、その年の10月にリニューアルオープン。
その時に同級生からツアーの話をされ、劇場と再会しました。

オーケストラ・ピットと転換作業中の舞台

ダンサーや歌手、アーティストだけでは成り立たない舞台芸術の世界を、パフォーマンス以外の角度から知ってもらうきっかけになれば
と思い、このツアーを始めました。

今でもその思いは変わりませんし、毎回、ツアーの度に違う顔を見せてくれる劇場に私自身もワクワクしています。

 

勿論舞台を楽しむことこそ劇場の醍醐味です。しかし、どうして良いか・何を見て良いか分からないと苦手意識を感じてしまっている人も多いと思うので、そういった人たちのハードルをヒョイっと超えるお手伝いが出来たらと。
バレエを習っている子供達には、自分が練習しているバレエは技術だけではない総合芸術だということを少しでも知る機会になったら良いなと思います。

 

舞台芸術はとても多面的ですし、また関わっている人たちのプロフェッショナリズムに触れると「こういう世界もあるのか」と、知る機会にもなり生活のスパイスにもなります。

知らなくても良いけれど、知っていると人生がより豊かなものになるのではないか、

そんな思いでご案内しています。

取り上げて下さったNHKモスクワ支局の方達に感謝致します。

そして放送を見て下さって暖かい励ましのメッセージをくれた友人達、そして今までこのツアーに参加して下さった全ての皆様に、この場を借りて感謝申し上げます。

これからも地道に種まき頑張ります。

 

私は出ませんでした。残念。インタビュー邪魔したのに・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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>総合芸術としてのバレエ

総合芸術としてのバレエ

舞台というものは演者たちだけでは成り立ちません。裏舞台で支えている多くの人々の尽力あってこそ表舞台がより引き立ちます。
建築・歴史・哲学・文学・音楽・美術・デザイン・踊り・歌、全てを包括しているのが劇場芸術です。
生活の中で芸術はなくても良いものかも知れません。しかしあるとより豊かになるものだと私は考えます。 人でしか紡ぐことの出来ない伝統の世界。色んな角度から眺めてみると、きっと新しい発見があるはずです。

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