「知る」機会、大切な時間

世界がひっくり返って3ヶ月。

こんなことになるなんてという思いで過ごしていました。しかし、なんだかロシアらしいというか、擁護も批判も出来ないですし、個人レベルでは何も言えることはありません。

 

ただ、二元論では説明のつかない世界があるということと、

人は自分の欲しい情報しか見ないのだということを目の当たりにしているような出来事でもあります。

ニュートラルに世界を見ることはとても大事です。

そして音楽や絵画などのアート、文化や芸術は普遍で、また人の軸になるものだなと改めて感じてもいます。

 

そんな中

春先に地元のフクイバレエ団研究所で「バレエの歴史講座」の機会を頂きました。

この十数年、恩師であるノムラ陽子先生と、福井の後輩の子供たちに恩返しの機会を持てたらとずっと考えていました。今の私が出来ることは、自分の経験とこの10年のボリショイ劇場のツアーを通して培ってきた『知る楽しさ』のきっかけ作りです。

その思いを汲みとって下さり、コロナ禍にオンラインで発信していた講座を対面形式で開催する初挑戦となりました。(*トップ画像はその様子です)

 

開催にあたり、スタッフの先生方には大変お世話になりました。ご理解とご協力を頂けたことに感謝でいっぱいです。

子供たちは熱心にメモをとってくれたりしっかり話を聞いてくれていて

好きなものを通すと学びに繋がるのだなぁと改めて思いました。

 

好きなものは知りたいと思うのが人間の心理。

技術の習得は勿論大切ですし、上手に踊れるようになることは成長・喜び、また達成感が得られるものです。

そこに『自分の好きなバレエって一体なんだろう?』を知る機会があると、よりスパイスが効いて、自分の踊りが豊かになると思います。また疑問があると調べるきっかけにもなります。

バレエを習わせている親御さんにとっても、その知識は頑張っている子供たちの理解に繋がります。

そんな機会をどんどん作っていきたいなと思っています。

 

今月は大人の方対象とはなりますが、講演会も開催予定です。

バレエの歴史、ダンサーの話、日本と欧州の舞台芸術の比較や社会的なことや経済的なことも含めた内容で、ボリショイ劇場から預かっている資料も使って舞台芸術のエッセンスも盛り込んでいきます。

 

文化は人が作ってきたものです。

古い伝統を守りつつ進化させ、新しい挑戦が繰り広げられており、新陳代謝を繰り返しながら今も現在進行形で作られているんですね

 

バレエは踊りを通して文化的なものを沢山学べる媒体です。

モスクワでの活動を新しい形にして、そういう楽しさを広げていけたら良いなと、そんなことを考えています。

 

また活動状況もアップしていきます😊

 

#ボリショイ劇場 #バレエ #バレエ座学

 

 

 

 

 

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総合芸術としてのバレエ

舞台というものは演者たちだけでは成り立ちません。裏舞台で支えている多くの人々の尽力あってこそ表舞台がより引き立ちます。
建築・歴史・哲学・文学・音楽・美術・デザイン・踊り・歌、全てを包括しているのが劇場芸術です。
生活の中で芸術はなくても良いものかも知れません。しかしあるとより豊かになるものだと私は考えます。 人でしか紡ぐことの出来ない伝統の世界。色んな角度から眺めてみると、きっと新しい発見があるはずです。

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