スプートニクにバレエ座学開催の記事が掲載されました

一気に「コロナってなぁに?」な状況になったモスクワ。

 

テラス席はソーシャルディスタンス?マスク?な店員さんのもと、太陽いっぱい浴びながら皆夏を満喫中です。

6月24日の戦勝パレード、7月1日の憲法改正など、政府の思惑もありつつも

この良い季節を逃したくないロシアの民にとって、真面目な論争よりも目の前の太陽☀️優位だったのは仕方ありません。というか、話題としてこれらは全く別のベクトルかなと。😅

 

ということで、6月23日には全て元どおりになる予定のモスクワです。

 

自粛期間にいつの間にやら季節が変わっていました。緑の豊かさにホッとさせられるのは否めません…

 

さて、3年前に「ボリショイ劇場芸術展」の日本での開催権利を劇場から頂き、劇場代理として日本で営業活動を続けていました。去年、沢山の方の好意と協力を得られたお陰様で日経新聞社が主催として決まりました。2、3年後に開催を予定しています。

 

これはパフォーマンスではなく、あくまでも「展覧会」なので、踊りが観れるわけではありません。

しかし敢えてなぜ「展覧会」の日本開催を劇場に提案したのか、それには理由があります。

 

日本はバレエを習っている方は30万人以上いると言われているバレエ大国です。

しかし日本とロシアでは文化的に舞台芸術の生活の中での根付き方が全く違います。

 

ロシアでは音楽や舞台に親しむ機会がかなり多いのは、冬の長い国で室内エンターテイメントが必要とされるからで、それがないと結構キツイというのも正直なところ。

美術館や劇場は子供の頃から自然と足を運ぶことが多いです。そして劇場でも全幕物が前提なので、物語を観るというスタンスですね。

しかし日本ではいろんなエンターテイメントがありますし、「観劇」の文化はそこまで一般的ではありません。映画行くように劇場に行く感覚はあまりなく、そもそも「劇場」の概念自体もちょっと違っているように思います。

 

もちろん、コンサートや観劇は好きな方が行くものであり、個人差があるのが大前提の話です。

 

そしてバレエ=実技が大半で、自分が一生懸命取り組んでいるバレエってそもそもどんなものかを知らずに頑張ってしまっている子供も多くいると思います。

 

それもそのはず。お稽古としてバレエ=踊ることからスタートするから当然の流れです。

 

歴史とかどんな変遷を経てきたものかは案外知らずに、目の前のことをこなしていき、またそれが大変だけど楽しかったりします。笑

 

しかし、バレエはスポーツではなく芸術であり、また情操教育の1つでもあります。

つまり表現力も必要とされ、舞台に立つ時は演技力だって求められます。

 

1つのソロの踊り(バリエーション)を踊るとなった時、その踊りは

 

どの作品のどのような流れのシーンでどんな心情で登場人物が踊るのか

 

を理解しているのとしていないのとでは、感情表現が変わってくるのは当然のことですよね。

 

その「知識」の部分、各スタジオの先生方が可能な限りは教えています。しかし日々の実技の練習に追われ、子供達が自分で調べて深めるとまでは及ばないのが現状です。

 

発表会以外舞台のチャンスが少ないのでコンクールに出ることが多いとは思いますが、だったら尚更、表現力をつけるための勉強が必要なのはとても自然なことだと思います。

 

私自身も子供の頃、バレエを一生懸命練習していましたが、そう言う知識を得る場というのは中々ありませんでした。大人が教えてくれても、ちゃんと耳を傾けていなかったことも原因だと思いますが…

学校での出来事や友達との関係など日々の経験が自分自身の肥やしになることは間違いなく、表現力の糧として普段の生活から学べることだって沢山あります。

 

ただ実技のバレエにプラスして、表現する楽しさや知ることの面白さをバレエを通して学ぶこと、また敢えての「学ぶ場」があって良いと思うんです。

 

そして、バックステージツアーを案内しながら、日本にいる沢山の方たちにも劇場芸術がどんなものかを知って貰う機会を作りたいなと考えていたので、劇場美術が見られる機会はとても有意義だと思います。

なぜなら劇場はダンサーだけでなく、沢山の職人たちの力が合わさって伝統が紡がれている場所。

 

この多面性を、パフォーマンスからだけではなく衣装・美術品・デザイン画などの構成要素を紐解きながら触れてもらえたらと考えているからです。

 

そしてこういうことは、大人は勿論ですが、バレエを習っている子供たちにこそ知ってもらいたいなーと常々思っていました。

このように、展覧会をより楽しめるようにすることも含め、バレエの歴史や舞台芸術に関してを学べる機会を作れたらと温めていたプランがあったのですが、このコロナ期間中に実践が叶いました😊

 

中学校の同級生で今は尼崎でスタジオ経営を頑張っている友人とひょいと繋がり(オンライン万歳!)彼女のスタジオの生徒さん向けに第一回目を開催してみました。

 

年齢幅があったのでどうしようか迷いましたが、なるべく噛み砕いた言葉で説明していくようにして、興味を持ちやすい工夫をしてみました。

バレエ団退団後に大学で美学芸術学を学んでいたのですが、その時のテキストや買い漁った本もお役立ちに。笑

舞台と美術、また音楽など他の芸術分野は切っても切れませんし

バレエの歴史には世界史、美術史は必ず絡んできます。

 

一見バレエには関係がなさそうに思えるような分野も、自分の好きなバレエを通して見てみると案外興味を持つことが出来ることがあります。

 

例えば語学も一緒で、英語の曲の意味が知りたいという目的があると、手段としての語学が自然に上達するのと同じですね。

 

自分の習っているバレエの歴史や背景を知ることは、踊りの理解を深める一つの要素になりますし

興味のあるものを通してそこから物事を深く掘り下げるというのは、本人が楽に学べて楽しいので一石二鳥です😃

そうやって楽しく学んでいくことってとても大切なことではないかと私は考えています。

 

そんな思いを込めて、今回のバレエ座学会を開講してみました。

 

嬉しいことに、この機会をSPUTNIK(スプートニク)の記者である徳山あすかさんが記事にして下さいました。

写真をクリックすると記事に飛びます⬇︎

 

 

バックステージツアーもこのような講座もですが、

「知るって楽しい!」という機会をこれからも作っていきたいと思います。

 

徳山さん、アースバレエ代表の和本綾先生、そして参加して下さった生徒の皆さんと親御さんたちも。

本当にありがとうございました!!

 

 

 

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総合芸術としてのバレエ

舞台というものは演者たちだけでは成り立ちません。裏舞台で支えている多くの人々の尽力あってこそ表舞台がより引き立ちます。
建築・歴史・哲学・文学・音楽・美術・デザイン・踊り・歌、全てを包括しているのが劇場芸術です。
生活の中で芸術はなくても良いものかも知れません。しかしあるとより豊かになるものだと私は考えます。 人でしか紡ぐことの出来ない伝統の世界。色んな角度から眺めてみると、きっと新しい発見があるはずです。

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