ツンデレふぁーにゃの作品紹介『スパルタクス』編

感染者3万人超え!

正確には32008人(4月18日)驚きの現状です。通行許可証も発行されるようになり、ますます身動きが取り辛くなっています。

 

5月9日の戦勝記念日のパレード開催が何より優先事項だった(と思う)ロシアにとって、記念式祭を9月開催に移行決定することによって、阻むものは何もない5月も丸々自粛生活間違いないなと感じております。

 

それでも今は耐える時です。

Stay homeですね。

 

さて

ボリショイ劇場配信第二弾、続いては『スパルタクス』

4月18日(土)モスクワ時間19時(日本時間は夜中1時)から放送されます。

いつも通り24時間以内であればいつでもYouTubeで観られます。

 

ボリショイと言えばというか代名詞というか、この作品は本当にボリショイらしい作品と言い切っても過言ではないと思います。

 

とにかく男性ダンサー総動員でマッチョで勇ましく、男性が観たら「こんなバレエがあるのか!」と驚き、女性はメロメロ間違いなし。

 

白くてふわふわしている=バレエのイメージを覆しつつ、男女ペアで踊るデュエットの美しさはほほ〜うとため息もの。しかもリフト(男性が女性を持ち上げるもの)がものすごい超絶アクロバティックなのです。

 

落っこちやしないかとヒヤヒヤすると思いますが、どうぞご堪能下さい。

 

さて、ふぁーさーん

 

・・・・・・・

 

なに、またバレエなの?

 

眠いとこすみませんね

 

『スパルタクス』の初演は1956年のマリンスキー劇場(当時キーロフ劇場)ヤコプソンによる振り付けで音楽はかなり組み替えられていたそう。その後1958年にボリショイ劇場での初演されました。

当時の振り付けはイーゴリ・モイセーエフ。民俗舞踊団で有名です。彼は逆にハチャトリアンの音楽をそのまま使いすぎて長くなり過ぎしまい、残念ながら評価は得られず。間延びしてしまったのだろうなと思います。メリハリないと飽きちゃいますね。

 

舞台って「観やすさ」も重視しないとだものね

 

お客さんは目で見てるわけだし

 

ごもっともです

 

現在上演されているのはグリゴローヴィチ振付により1968年にボリショイ劇場で初演されました。このグリゴローヴィチ版がこの作品の不動の地位を占めております。*ちなみに今年11月に日本公演が予定されています。

 

グリゴローヴィチは余計なマイムを排除して音楽と踊りで物語を綴ることを徹底した振付家で、その最高傑作とも言える作品だなと個人的に感じています。とにかく勇ましい男性ダンサーが、休むことなく次から次へとシーンを繋いでいくので、最後までドキドキハラハラしっぱなしです。

 

『スパルタクス』のあらすじ+見どころはこちら⬇︎

 

時は紀元前1世紀のローマ帝国。司令官クラッスス(性格悪い)率いるローマ軍侵略により、捕虜となったスパルタクスとその妻フリーギア。奴隷市場でフリーギアはクラッススに買い取られていきます。

このキャラクター個々に、それぞれにテーマソングとフォームがあるのよね

 

幕開きのクラッスス、ティンパニーとトランペットのリズムに勇ましく足を踏みしめる動き・ジャンプにご注目。

 

とっても偉そうなの。性格出るとこ

 

周りの手下たちの戦闘モードもなかなかです。

苦悩に満ちたスパルタクスの登場も奴隷の葛藤が伝わります。

 

クラッススの愛人エギナと仲間の酒席のシーンで、フリーギアはクラッススに襲われそうになり、愛人エギナの嫉妬と反感を買う。

エギナ、とてもエロいです。

 

セクシーと言って

 

そこに余興として目隠された剣闘士二人が決闘をさせられる。

片方はスパルタクスでしたが、勝ったとは言え仲間を殺してしまいます。

 

ま、自分も死ぬかも知れないわけで、ものすごい葛藤よねぇ

 

その罪悪感と理不尽に苛まれたスパルタクスは反乱を計画。そしてクラッススの別荘へ乗り込みます。

この反乱軍結成のシーンも、あああ向かっていくのか!と高揚感を煽るフォーメーション。

そこでスパルタクスは優勢に立つのですが、最後のトドメをささずにクラッススを逃がします。

命拾いするクラッスス。

それはそれは腹わたが煮えたぎっているわけです。

 

奴隷に命拾いされちゃうわけだものね。情けなーい

 

そして反乱軍のアジトにエギナを送り、スパルタクスの仲間たちを油断させたところで乗り込んでスパルタクスを捕らえて制圧。

この串刺しのトドメ、見ものよ。怖いったりゃありゃしないから

 

奴隷の悲しい運命、そして残されたものの葛藤、様々な感情が交錯する最後です。

 

首を垂れる、ぐっと拳を握りしめる、高笑いする、天を仰ぐなど、とてもシンプルな動きが散りばめられることによって、ドラマチックに物語の展開を語っていきます。登場人物たちの心理描写があからさまに出る舞台

その辺りも注視して観て観て下さい。

 

 

そして

 

スパルタクスを語る上で重要なのが、ハチャトリアンの音楽

ハチャトリアンと言えば、皆さんご存知「剣の舞」で有名ですね。

 

ああ、走り出したくなるこれ

 

上記コメントでふぁーにゃも触れてますが、4人の主役たち、スパルタクス、フリーギア、クラッスス、エギナ、それぞれにテーマとなる音楽そして動き(型)があるので、それぞれが踊り出したら注意してみて下さい。

 

打楽器だけのステップ、エギナの妖艶な舞い、フリーギアの清らかさを象徴するかのような旋律、クラッススのオレオレなファンファーレ
・・・などなどハチャトリアンの音楽性も堪能出来ますよ。

 

上記、初代の振付が評判良くなかったと触れたイーゴリ・モイセーエフですが、本当はすごい人なんです。
モスクワっ子にもモスクワにいる日本人の方達にもファンが多いのですが、バレエをベースにした民俗舞踊団「イーゴリ・モイセーエフ・バレエ」の設立者です。

ここのダンサーたちの身体付きはバレエダンサーとはまた全然違います。筋力というか身体の使い方そのものが違う。

 

モイセーエフ自身ボリショイ劇場にも所属していたダンサー&振付師。クラシックバレエの振り付けではあまり評価を得られなかったとは言え、自身で設立したこの舞踊団はものすごく有名で今日に至ります。
(どうやら日本公演に近々行く予定だとか・・・?)

洗練されたクラシック・バレエとは違うもっと土臭い踊りということもありますが、各国・各民族の民俗舞踊の特徴を捉えてアレンジするという技は、モイセーエフは天才的でした。

こちらバレエ団の映像ギャラリーです。いくつかピックアップされているのでご興味ある方は覗いてみて下さい。

 

以前もご紹介したことのある「カルムキアの踊り」お気に入り。練習風景ですが、どんな楽器が使われているかもわかって楽しめます

 

肩と足首の動きが謎の踊りね

 

本題から逸れましたが、

本日放送予定の『スパルタクス』は、叶うのであればボリショイ劇場という箱で観て頂きたい作品。

 

そしてバレエに対してハードルを感じている方、男性の方、『白鳥の湖』で飽きてしまった方、そして子供たちも。きっと音楽聴くと動き出したくなると思います。

 

題材としては古代ローマの剣奴(グラディエーター)な訳で、勇ましくないわけない作品です。笑

 

バレエってふわふわしてる〜となんとなくイメージを持たれている方、そのイメージがぐるんと覆るので是非にお時間を見つけてご覧頂ければと思います。

 

エギナのツンデレ共感。彼女、猫の鏡よ

 

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総合芸術としてのバレエ

舞台というものは演者たちだけでは成り立ちません。裏舞台で支えている多くの人々の尽力あってこそ表舞台がより引き立ちます。
建築・歴史・哲学・文学・音楽・美術・デザイン・踊り・歌、全てを包括しているのが劇場芸術です。
生活の中で芸術はなくても良いものかも知れません。しかしあるとより豊かになるものだと私は考えます。 人でしか紡ぐことの出来ない伝統の世界。色んな角度から眺めてみると、きっと新しい発見があるはずです。

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