人生あれこれ

旧友との再会。Yahoo!ニュースのドキュメンタリーフィルム

以前バックステージツアーにご参加頂いたメディア関係の方の紹介で、Yahoo!ニュースのドキュメンタリーや映画を撮られている方からバックステージツアーの様子と、モスクワでの私の暮らしを追ったドキュメンタリーフィルムのオファーを頂きました。

9月半ば、丁度劇場の新シーズンが始まった時期に約1週間の密着取材を受け、一昨日の2018年10月17日に配信されました。

こちらがその映像です。

撮影日時が急だったこともあり、バックステージツアーの影像許可が下りず残念ながらツアーの様子は写真のみの撮影になりました。

今回の取材にあたり昔の同級生のお話が聞けないかとリクエストされたのですが、
すぐに思い浮かんだのがサーシャという友人でした。
(*本名はアレクサンドラ・ティモフェーバです。サーシャは愛称名)

彼女はクレムリン・バレエ団のプリマバレリーナで、2011年にモスクワに戻ってから
街中のポスターで彼女の写真を見るたびに、ずっと会いたいなーと思っていたのですが、
中々機会がなく連絡が取れずにいました。
今回せっかくの機会だしと思い、思い切って知人経由で連絡先を教えて貰ったらあっという間に繋がり(笑)
バレエ界の狭さを改めて思い知りました。

取材が始まる月曜日に、その週の金曜日の夜に会う約束を取り付けウキウキしていました。

しかし撮影3日目、バレエ・アカデミーの前でインタビューを受けている私の真横を
バレリーナっぽい人が歩いてるなと思って何となくじっと見てたら、なんとなんと彼女だったんです。
金曜に感動の再会!のはずがフェイントで偶然ばったりの再会を果たしてしまいました。

この様子はばっちりカメラに収まっていますが、今でもこのシーンを見るとニヤニヤ笑いが止まりません。

会いたいなとずっと彼女のことを考えていたからでしょうか。
こんな嬉しい偶然ってあるんだなと、本当にびっくりしました。

そして本来の再会記念日だった金曜日もカフェで長時間あれこれ積もる話をしました。
彼女は丁度先シーズンをもって現役を引退し、この9月からバレエ・アカデミーのカレッジに通い始め、
平行してクレムリン・バレエの後輩のダンサーの指導を始めたところでした。

3年前のふくらはぎの怪我から、ずっと引退に関して悩んでいたと言います。
まだ踊れるんじゃないかという舞台への気持ちと、
「やめてどうするのか」「キャリアがあるのにもったいない」
という周りの言葉にも引きずられ、踏ん切りがつかずにずっと苦しんでいたようでした。

しかし先シーズンで、自分の中で「よし!」と思える瞬間があったようで、きっぱりと引退を表明。
バレエ団に引退の告知を頼んだと言います。

 

彼女は
「私は“キャリアっ”て言葉が苦手。だって、私は目の前のやるべきことをただやり続けただけなのだから。
むしろそれしか出来なかったしね。」と言っていました。

ただ淡々とやり続けること。自分と向き合い続けること。
本当にそれしかないんですよね。その道でやると決めたなら。

プロと言われる世界は、単純に日々と努力の積み重ねでしかありません。
プロでなくても、どう毎日を過ごすか、何を続けていくかで、その人の人生って紡がれているんだと思います。

「踊る」ということは、日々の中で体調やプライベートの出来事、そして身体の変化などが
ダイレクトに表れる仕事で、否応なく、自分の老いと向き合うことであり、また工夫や試行錯誤を生む作業の繰り返しです。

 

私たちが最後に会ったのは、彼女が卒業した2001年。(私は怪我のため途中で留年)
そういう生活を彼女は18年間ずっとやってきたのだなと。
毎日積み重ねてきた時間の早さと、そして重さにとても感慨深くなりました。

私は早い段階で現役は退きましたが、バレエから離れてからの方が、その世界の奥深さに気付かされてきました。
現役の時って自分にいっぱいいっぱいだったので見落としていたことや分からなかったことが多かったのだなと、
改めての発見が沢山あります。

 

渦中にいる時はどんな場合もそうですね。目の前のことしか見えません。

ただ逆に夢中になっていると気づかない方が良いこともあります。
よそ見をしないことも、何かを成すには必要な時期ということもあります。
気付いてしまうと、苦しみの種にしかならないという悩みもあります。

 

引退を決意出来、晴れやかに次の人生の一歩を踏み出していた彼女は、バレエを辞めて随分経つという外国人の旧友が、またモスクワで日本人にバレエの種まきをしているという現状を驚きながらも誇らしいととても喜んでくれました。

ふと、3年前だと今回のような再会にはならなかったかも知れません。
お互いに「今」だったのだと思います。

再会

出会うべきタイミングで、再度出会い直すという人とのご縁もあるのですね。

学校で共に学び、卒業してからそれぞれに過ごしてきて、大人になって再度出会い直せるという
人生のプレゼントのような瞬間って、どんな人にもある人生の醍醐味なのかなと思いました。

年齢を重ねることは、物事に対する人生の「味覚」を楽しませてくれることなのかも知れません。
人生の酸いも甘いも、皆平等にいろんなことが起こります。
やはり毎日を大切に過ごすことしかないのだと思います。

 

取材を通して、私自身ここに至るまでのあれこれを思い出すことが出来、とても良い機会になりましたし
随分とお互い大人になってしまったねと、笑い合えたサーシャとの時間が何よりも印象的で大切な時間になりました。

 

このような大事な機会を作ってくださった奥村盛人さん、そしてYahoo!ニュースの関係者の皆様、取材にあたり様々な協力をしてくれた日本にいる友人たち、そしてモスクワ在住の皆様、本当にありがとうございました。
この場を借りてお礼を申し上げます。

撮影/奥村盛人

 

 

 

夏の大イベント2018

久々のブログ更新です。

劇場がシーズン・オフに入り、私も休暇を頂いておりました。

6月に開幕したロシア・ワールドカップ2018。瞬く間にサッカー三昧の日々が過ぎ、7月15日はクロアチアvsフランスの決勝戦。そこに至るまでの各国の接戦は目を見張るもので、選手たちは今自分たちの持っているものを全て出し切るのみという状態でした。
勝負の世界は戦略をはじめ、各選手の体調、呼吸、タイミングやその日の気候、試合の日程、時間、対戦相手、そして会場の雰囲気とサポーターの空気感などいろんな状況が左右するというか、一筋縄にはいかないものなのだなと思いました。

大雨の中での表彰式。熱くなり過ぎた熱を冷ますような、色んなことを洗い流すような、締め括りのような雨でした

強いから勝てるというシンプルさと、人知を超えた何かがある、というのが今回の大会を通して感じたことです。

旗を持つボランティアスタッフのリハーサル@エカテリンブルグ

鳥肌が立ってしまうものすごいプレーを見せてもらえたり、思わぬ展開に動揺したり、また南米のサポーターたちの激しさにびっくりどっきりさせられたり。気持ちを揺さぶるってこういうことなんですね。

それにしても、期間中のモスクワは色んな国の人がうろうろしており、違う国になっていました(笑)

個人的には日本から応援に来たサポーターさんたちを劇場ツアーにご案内する傍ら、ワールドカップ関連のお手伝いもさせて頂き、人生で初めてというくらいサッカー漬けの日々を送りました。

アルゼンチンvsアイルランド戦@スパルタク

ファンの熱気に圧倒されるの巻。地鳴りです。

こんなに色んな国の人たちが集まる世界的なイベントだったのだ・・・と初めて気がつき(ファンの方には怒られてしまうかも知れませんが)ワールドカップって、またサッカーってすごいなぁと感服。

サッカーの関わり方、また思い入れなどは人それぞれだと思いますが、4年に1度という大きなイベントは気が遠くなるほど沢山の人たちの尽力の元で開催されていました。

そんな裏舞台を垣間見れたことは、とても貴重な経験です。

最後の数秒はあっという間の出来事。こんなことがあるのか…と、勝敗の世界の現実を見せられた印象深い試合@ロストフ・ナ・ダヌー

さて、

あの暑い/熱い日々は夢だったのか?というくらい、モスクワは一気に秋の気配が漂っています。