先日アップした「子どもにバレエを習わせてみたい、と思ったら」ですが
色々とご感想を頂いたので少し掘り下げてみたいと思いました。
あくまでもざっくりした目安だけをピックアップしましたが、本来はもっとやることは細かく、
またいろんなレッスン方法があると思います。
そして子どもによって身体の成長も違いますし、
できること・できないこと、得意なこと・不得意なこともそれぞれです。
ただ一つ言えるのは早くからバレエを習わせることが絶対ではない、ということです。
その子どものタイミングがありますし、家庭環境や他の習い事の兼ね合いもあるとも思います。
勿論、幼少期から股関節を開くストレッチをしたり、身体の柔軟性を高める体操をさせておくのは
後々有利になることはあると思いますし、それは否定しません。
しかし、柔軟性だけがバレエではありません。
筋力も鍛えていかないと、身体の柔らかさが仇となる場合もあります。
一つの例としてですが、
ヤマハ音楽教室の3歳児ランド(今は名称が違い‘おんがくなかよしコース’となっていました)
というものがあります。私も幼少期に通っていました。
このコースを今調べても、幼いお子さんに合わせたプログラム、
想像力を伸ばしたり音感を遊びながら鍛えたり、身体を使って音楽を感じるという教育をされています。
いわゆる絶対音感というのを鍛えてくれる内容だと思います。
音楽と身体と一体で考える、音楽を通して得られる子どもの学びの場です。
バレエも同じで、身体を通して音感を鍛えていくこと、
身体を自由に動かすこと=踊ることに自然に繋がる
ことが、幼少期に得られるものです。
ただバレエには型があります。その型は日々のレッスンで繰り返し繰り返し身体に刷り込んでいくもので
一朝一夕には身につかないものです。
そしてこの型を訓練するのは、変な癖がつかないようにある程度の年齢になっている方が好ましいです。
その訓練をする前段階として、リトミックや「身体が動くこと」を知っておくような時間を持って貰うということが
幼少期のバレエではポイントとなることだと思います。
自分の身体を考える機会がバレエを習うこと。
バレエは自分の身体を知る一つの媒体なのだと私は考えています。
また踊りで身体能力を鍛えることだけでなく、役柄を考えたり感情を踊りで表現したりすること、
例えば、幼児はちょうちょ、鳥やミツバチなどの役、小学生以上になると妖精やキューピット、
外国の民族舞踊や童話の中の登場人物など、成長するにつれて演じる役も複雑化していきます。
つまり「どんなものと感じているか・考えているか」
を表現出来る機会になり、情操教育にも繋がるとても豊かなものです。
現状、日本ではバレエが習い事として広く親しまれていることは皆さんもよくご存知だと思います。
ロシアでは国を挙げて職業としてバレエ教育が根付いています。
一般教養とバレエ教育が一緒になっている国立の学校で、バレエ一辺倒ではないものです。
卒業後はプロとして踊れる劇場/職場が複数あります。勿論就職出来るか否かは本人の実力次第ですが。
一方、日本でバレエは学校の後に通う習い事という認識ですが、
専門学校もありますしバレエ科がある大学もあります。留学してプロになる方も沢山いますし
バレエ団も存在し優秀なダンサーは沢山育っています。
ただ、観劇という習慣が欧州やロシアほど根付いていないこと、またプロとして生きていくことを
国が守ってくれるものではないので職業としては正直難しいのが現状です。
(今後は色々と変わっていくとは思います)
もし万が一、お子さんが大きくなってバレエで生きていきたいと言い出した時は、
ちゃんと立ち止まってしっかりお子さんと向き合ってあげてください。
留学したいのか、日本で頑張りたいのか、進学はどうするか、
留学中に怪我をしたら、リタイアしたら、バレエ以外にもどんな選択があるのか。
何歳だからとか何年習っていたから大丈夫とか、コンクールで賞を取ったからとかが全てではありません。
やはりこれも、個人個人の問題で、その子自身のタイミングがあります。
・・・と、こういう日が来る前にバレエやーめたっ!となるお子さんも沢山いると思います。笑
日本の受験勉強や教育システムを考えると、中学生や高校生まで習うというのも自然な環境です。
ですのでそこまで重く捉えず、
リズム感をつけたい、想像力を伸ばしたい、身体をいっぱい動かしたい
こういうモチベーションでバレエを習うことはとても良いことだと思いますし
その教育は十分に叶うものだと思います。
出来ることが増えることも、お子さんにとっても親御さんにとっても嬉しい発見だと思います。
楽しい時間が積み重なりますように。
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